人間は複雑な言語(母国語)を駆使することによって思考し、意思の交換をし、その能力をもとにさまざまな物やルールを創造し続け、現代の繁栄に至っています。人間の生活のすべては言語によって成り立っています。とりわけ勉強はまさに大部分を言語(母国語)によって習得されるわけですから、全ての学問の土台は国語力、読解力にあるということは間違いありません。それにもかかわらず、日本においては、国語の重要性を軽視し国語の授業時間を年々削り続けてきました。その結果、2005年実施された国際学習到達度調査において、前回(2000年)8位であった「読解力」が平均レベルの14位に低下し、「数学的応用力」は1位から6位になってしまいました。さらに、国語に限らず、1週間の授業外の学習時間も国際的平均値を下回っています。かつての教育大国の名は地に落ちてしまいました。これは一概に、「ゆとり教育」のせいばかりとは言えません。日本の社会全体が地道な日々の勉強の積み重ねをおろそかにし、全てにおいて安易なものを選択してきたつけが表に現れたのでしょう。特に、文字離れは子供達にとどまらず、大人の読書量が年々減少している事実もまた最近の調査で明らかになっています。 |